ICTとは、一般に、

 ▼Information(情報)、Communication(通信)にかかわるTechnology(技術)を駆使した情報通信技術(ICT)。

のことです。
 このことを踏まえると、「ICT教育」とは、

 ▼ICT(情報通信技術)の利用方法や活用方法を考え、それを取り入れた教育、または、ICTを駆使した教育。

ということになります。

 突然、話が変わりますが、近年、文部科学省は、これからの授業形式は「アクティブ・ラーニング」であるべきだとしています。
 「アクティブ・ラーニング」という用語の定義は、中央教育審議会「新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて~生涯学び続け、主体的に考える力を育成する大学へ~(答申)」<平成24年8月>の用語集において、次のように示されています。

 ▼教員による一方的な講義形式の教育とは異なり、学修者の能動的な学修への参加を取り入れた教授・学習法の総称。学修者が能動的に学修することによって、認知的、倫理的、社会的能力、教養、知識、経験を含めた汎用的能力の育成を図る。発見学習、問題解決学習、体験学習、調査学習が含まれるが、教室内でのグループ・ディスカッション、ディベート、グループ・ワーク等も有効なアクティブ・ラーニングの方法である。

つまり、「アクティブ・ラーニング」のポイントは、能動的学修とその成果の発表・共有だといえます。
 先ほど、突然出てきた「アクティブ・ラーニング」。その推進に、ICTの有効活用が必要と考えるのです。例えば、

 *問題解決や調査、ディベートにおける基礎資料探索のためインターネット上の情報を検索するツールとして
 *体験をまとめるための画像や映像、レジュメ作成、発表ツールとして
 *グループ・ディスカッション、グループ・ワークのレジュメ作成、発表ツールとして

 近年教室や授業備品として配備されている、デジタルカメラ、ビデオカメラ、ICレコーダー、書画カメラ、パソコン、プロジェクター、スクリーン、電子黒板。iPadやSurfaceに代表されるタブレット端末やスマートフォンなど次世代型ICT機器。そして電子黒板とタブレット端末と相互システムを構築するソフトやアプリ。これらを有効に活用することで、「アクティブ・ラーニング」の効果的、効率的運用が可能と思うのです。

 ちなみに、文部科学省は、ICT活用の教育的効果と将来のあり方を具体的に提言しています。その資料は、以下に示したものです。ホームページでも見られますので、参考にしてください。

 ▽文部科学省「調査研究協力者会議等(初等中等教育),「教育の情報化に関する手引」作成検討会,「教育の情報化に関する手引」作成検討会(第5回)配付資料「教育の情報化に関する手引」(案)<平成21年2月>【「第3章 教科指導におけるICT活用、第7章 教員のICT活用指導力の向上」あたりは、必読です。】
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/056/gijigaiyou/attach/1259389.htm

 「アクティブ・ラーニング」の効果的運用のために、ICTの有効活用は大いに役立つと思っています。とにかく「ICT教育」と「アクティブラーニング」、この2つをセットにし、こともが興味を持ち、能動的な学修を促す、効果的な教育方法を考えることが今後重要な教育課題といえるでしょう。
 また、その中心をなす教員の育成をすることが教育学部に課せられた重要な課題のひとつとなります。

 本学では、学生とともに、「デジタル教材開発」の演習講義とやる気のある学生の集まった私的サークル「デジ教」を両輪とし、「アクティブ・ラーニング」のあるべき姿の追究、そこにICTをどう組み込むかを考えていきます。学生の柔らか頭から生み出された発想と学修の成果が、本ホームページでお示しできればと考えています。

 少しずつかもしれません、大きな仕事はできないかもしれません。でも、学生とともに、ICT教育の充実に微力ながら貢献できればと思っています。

国語教育担当 中條敦仁(ちゅうじょうあつし)
  • 16年3月30日
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